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パーソナリティと犯罪サイコパスはどれくらいいるのか。「100人に4人」と「1%」、数字が違う理由

「サイコパスは100人に1人いる」「いや、もっと多い」。テレビや本ではさまざまな数字が語られます。そもそもサイコパスとはどんな人のことで、実際にはどれくらいいるのでしょうか。研究をまとめた結果を見ていきます。
SUMMARY
- 一般の大人16サンプル・1万1,497人をまとめた2021年のメタ分析では、サイコパスの割合は全体で4.5%と推定された。
- 同じメタ分析で、専門家が面接と記録で評価する方法(PCL-R系)に限ると1.2%、自己報告の質問紙などでは5.4%と、測り方で3〜4倍以上の差があった。
- 英国の家庭638人を専門家が評価した調査では、サイコパスの割合は0.6%で、1%未満だった。
01どんな心の仕組みが働いているのか
研究でいうサイコパスとは、冷淡さや人を操る傾向と、衝動性や反社会的な行動が組み合わさった性格の特徴のことです。
研究で最もよく使われるのは、PCL-R(サイコパシー・チェックリスト改訂版)という評価法です。専門家が面接と記録をもとに、冷淡さや人を操る傾向などの「対人・感情」の面と、衝動性や反社会的な行動の面を点数にします。
2011年の大規模な総説は、サイコパスは一つのまとまった「型」ではなく、大胆さ・冷淡さ・抑えの効かなさといった複数の特徴の組み合わせだと整理しています。ドラマのような「生まれつきの冷酷な怪物」というイメージとは、かなり違います。
02研究でわかっていること
一般の大人では数%程度ですが、測り方で大きく変わります。専門家の評価では1%前後、自己報告では5%前後です。
Sanz-Garcíaら(2021)[1]
一般の大人を対象にした15研究・16サンプル(1万1,497人)をまとめた。全体の推定割合は4.5%だった。PCL-R系の評価では1.2%、それ以外の方法では5.4%だった。男性は7.9%、女性は2.9%だった。組織で働く人の3サンプルでは12.9%と高かったが、幅(信頼区間)は3.2%から24.7%と広かった。
対象: 一般の大人(大学生・地域住民・組織の人) / 限界: サンプルの多くは大学生で、測り方がばらばら。
Coidら(2009)[2]
英国(イングランド・ウェールズ・スコットランド)の家庭に住む16〜74歳の638人を、専門家向けの評価法の簡易版で調べた。サイコパスの割合は0.6%だった。多くの人はサイコパス的な特徴がゼロで、ゼロではない人も一定数いる、なだらかな分布だった。
対象: 英国の一般家庭 / 限界: 1か国の調査で、人数も多くはない。
Skeemら(2011)[3]
サイコパス研究を広く整理した総説。PCL-Rを含むサイコパスの評価は、暴力や犯罪の予測で特別な力を持つわけではなく、専用の危険性評価とほぼ同じ程度だった。サイコパス傾向の高い人を「治療しても無駄」とみなす根拠は乏しく、むしろ集中的な支援の対象にすべきだと述べている。
対象: 既存研究の総説 / 限界: 数字をまとめたメタ分析ではない。
03よくある思い込みと、研究が示す実際
「サイコパスは生まれつきの犯罪者で、治らない」というイメージは、研究の結果とずれています。
04日常で生かせる視点
「サイコパス」という言葉は、身近な人へのレッテルとして使わないことが大切です。
- ニュースや番組で「サイコパスは〇%」と聞いたら、どの測り方の数字かを確かめる。
- 裁判員として性格の評価の話を聞くときも、それだけで将来の危険性が決まるわけではないと覚えておく。
- 苦手な人を「サイコパスだ」と決めつけず、具体的な行動とその影響に目を向けて対処を考える。
05よくある質問
サイコパスとは何ですか
研究では、冷淡さや人を操る傾向と、衝動性や反社会的な行動が組み合わさった性格の特徴を指します。専門家はPCL-Rという評価法でよく測ります。
サイコパスは何人に1人いますか
一般の大人を対象にしたメタ分析では全体で4.5%でしたが、専門家の評価法に限ると1.2%でした。英国の家庭調査では0.6%でした。
なぜ調査によって数字が違うのですか
測り方と対象が違うためです。自己報告の質問紙では高めに、専門家の評価では低めに出やすく、男性や組織で働く人のサンプルで高い傾向がありました。
SOURCES
- Sanz-García, A., Gesteira, C., Sanz, J., & García-Vera, M. P. (2021). Prevalence of Psychopathy in the General Adult Population: A Systematic Review and Meta-Analysis. Frontiers in Psychology, 12, 661044. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.661044
- Coid, J., Yang, M., Ullrich, S., Roberts, A., & Hare, R. D. (2009). Prevalence and correlates of psychopathic traits in the household population of Great Britain. International Journal of Law and Psychiatry, 32(2), 65-73. https://doi.org/10.1016/j.ijlp.2009.01.002
- Skeem, J. L., Polaschek, D. L. L., Patrick, C. J., & Lilienfeld, S. O. (2011). Psychopathic Personality: Bridging the Gap Between Scientific Evidence and Public Policy. Psychological Science in the Public Interest, 12(3), 95-162. https://doi.org/10.1177/1529100611426706


