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刑罰と更生

被害者と加害者が向き合うと何が変わるのか。修復的司法の10の比較試験が示した、被害者の満足と再犯の小さな減少

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Table and chairs in Fira, Santorini, Greece
Photo: Dietmar Rabich / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AI RESEARCH公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました。実在の事件を興味本位で扱わず、犯罪の手口の詳細は書きません(出典は末尾)。

「被害者と加害者を会わせても、つらい思いをさせるだけではないか」。修復的司法は、事件で生まれた害をどう修復するかを当事者が話し合う考え方です。実際にどんな効果があるのか、ランダム化比較試験の結果が積み重なってきました。

SUMMARY

  1. 3つの大陸で行われた10のランダム化比較試験(加害者1,879人、被害者734人)では、話し合いに割り当てられた加害者の2年間の再犯が少なかった。効果量はd=-0.155で、10件中9件が同じ方向だった。
  2. 同じ10試験で、被害者が事件の扱いに満足する度合いは、通常の刑事手続きより一貫して高かった(d=0.327)。
  3. 少年司法の57研究をまとめた2022年のメタ分析では、全体では非行が減っていた(g=0.23)が、厳密なランダム化試験に限ると効果は小さく、統計的に有意ではなかった。

01どんな心の仕組みが働いているのか

加害者が被害者の話を直接聞くことで、自分の行為の重さを実感し、責任を引き受けやすくなると考えられています。

修復的司法の代表的な形が「修復的司法カンファレンス」です。訓練を受けた進行役のもとで、被害者と加害者、それぞれの家族や関係者が集まり、何が起きたか、どう償うかを話し合います。

被害者にとっては、疑問をぶつけたり、謝罪を受けたりする場になります。加害者にとっては、相手を一人の人として知る機会になります。どちらも参加は同意が前提です。

02研究でわかっていること

両者が同意した事件では、再犯は小さく減り、被害者の満足度は高まります。再犯の効果は控えめで、被害者側の効果のほうがはっきりしています。

9/10再犯が減る方向の結果になったランダム化比較試験の数(2013年のレビュー)
1,879人10試験に参加した加害者の数。被害者は734人に面接
3.7〜8.1倍英国7試験で、話し合いの費用に対して防げた犯罪の費用の比

Strangら(2013)[1]

被害者と加害者が直接会う話し合いを調べた10のランダム化比較試験をまとめた。2年間の有罪判決(1件は逮捕)を比べると、話し合いの群で再犯が少なかった(d=-0.155)。被害者は事件の扱いに満足しやすく、謝罪を受けやすく、仕返しを望む気持ちや心的外傷後ストレス症状が少なかった。暴力犯罪のほうが財産犯罪より効果が大きかった。

対象: 3つの大陸で行われた10試験 / 限界: 両者が会うことに同意した事件のみ。

Shermanら(2014)[2]

同じ10試験について、519の候補研究から選んだ経緯と再犯への効果を詳しく報告した。話し合いは、同意した加害者の再犯の頻度を控えめに減らしていた。英国の7試験では、防げた犯罪の費用が実施費用の3.7〜8.1倍と見積もられた。

対象: 1,880人の加害者 / 限界: 費用の見積もりは英国の試験に限られる。

Kimbrellら(2022)[3]

少年司法での修復的司法の57研究(79の評価)をまとめた。通常の対応と比べて非行は減っていた(g=0.23)。しかし、ランダム化した厳密な研究では効果が小さく、有意ではなかった。一方、被害者と少年の満足感や公正さの感じ方では、よりはっきりした効果が見られた。

対象: 少年司法の研究 / 限界: 修復的司法の形がさまざまで、比べにくい。

03よくある思い込みと、研究が示す実際

「会わせると被害者が傷つくだけ」とも「会えば加害者は必ず更生する」とも言えません。被害者への良い効果が比較的はっきりし、再犯の減少は控えめです。

MYTH / 思い込み被害者と加害者を会わせると、被害者がもっと傷つく。
FACT / 研究では同意した被害者を対象にした試験では、満足度が高く、心的外傷後ストレス症状は少ない傾向でした。
MYTH / 思い込み修復的司法は加害者に甘いだけの仕組みだ。
FACT / 研究では被害者の満足度が高く、加害者の再犯も控えめに減っていました。刑事手続きに上乗せして行う試験もありました。
MYTH / 思い込み話し合えば加害者は大きく変わる。
FACT / 研究では再犯の減少は小さく、少年の厳密な試験では有意な差が出ませんでした。

04日常で生かせる視点

罰の重さだけでなく、被害者が何を求めているかという視点を持つと、司法の議論が立体的に見えてきます。

05よくある質問

修復的司法とは何ですか

犯罪で生じた害を、被害者・加害者・関係者が話し合って修復しようとする考え方です。代表的な形が、進行役のもとで直接会うカンファレンスです。

再犯は減りますか

10のランダム化比較試験では、2年間の再犯が控えめに減っていました。ただし両者が同意した事件に限られます。

被害者にはどんな効果がありますか

事件の扱いへの満足度が高く、謝罪を受けやすく、仕返しを望む気持ちが少ない傾向が報告されています。

SOURCES

  1. Strang, H., Sherman, L. W., Mayo-Wilson, E., Woods, D., & Ariel, B. (2013). Restorative Justice Conferencing (RJC) Using Face-to-Face Meetings of Offenders and Victims: Effects on Offender Recidivism and Victim Satisfaction. A Systematic Review. Campbell Systematic Reviews, 9(1). https://doi.org/10.4073/csr.2013.12
  2. Sherman, L. W., Strang, H., Mayo-Wilson, E., Woods, D. J., & Ariel, B. (2014). Are Restorative Justice Conferences Effective in Reducing Repeat Offending? Findings from a Campbell Systematic Review. Journal of Quantitative Criminology, 31(1), 1-24. https://doi.org/10.1007/s10940-014-9222-9
  3. Kimbrell, C. S., Wilson, D. B., & Olaghere, A. (2022). Restorative justice programs and practices in juvenile justice: An updated systematic review and meta-analysis for effectiveness. Criminology & Public Policy, 22(1), 161-195. https://doi.org/10.1111/1745-9133.12613