刑罰と更生
罰は犯罪を減らすのか。再犯と立ち直りの研究

死刑に犯罪を抑える効果はあるのか。全米研究評議会が「判断できない」とした研究と、自分に合う証拠を信じる心理
死刑の抑止効果を示す研究も否定する研究もあるが、米国の全米研究評議会は2012年に既存の研究では判断できないと結論した。人は自分の立場に合う研究を高く評価しがちだ。

「再犯者率46%」は再犯が増えている証拠なのか。犯罪白書の数字の読み方と、出所者の再入率の実際
再犯者率46.2%は「検挙者のうち再犯者の割合」で、初犯者が減ったことで高く見えていた。出所者の2年以内再入率は長期的に下がっている。

刑務所に入ると再犯は減るのか。社会内の処分と比べた研究と、出所2年以内の再入率13.8%
刑務所に入れることが、社会内の処分より再犯を減らすという証拠は乏しい。効果はほぼゼロか、少し増やす方向と考えられている。

「怖い刑務所見学」は非行を防ぐのか。9つの実験が示した、何もしないより悪い結果
少年に刑務所の厳しさを見せて怖がらせる取り組みは、9つの実験で効果がなく、何もしないより再非行を増やしていた。

人はなぜ犯罪をやめるのか。結婚・仕事・年齢という「転機」と、58研究が問い直した結婚効果
犯罪をやめる過程(デシスタンス)には、年齢、安定した仕事、良い結婚、自分の見方の変化が関わる。ただ、結婚が原因かどうかは、まだはっきりしていない。

仕事に就けば再犯は減るのか。無職の人の再犯は有職の2倍超、でも就労支援の比較試験は効果を示せなかった
無職の人ほど再犯が多いのは日本の統計でも一貫している。ただ、仕事を用意するだけで再犯が減るとは限らず、年齢など条件によって効果が分かれていた。

罰を重くすれば犯罪は減るのか。抑止力の研究が示す「重さ」より「捕まる確かさ」
犯罪を思いとどまらせる力は、刑の重さより「捕まりそうだ」という確かさのほうが一貫して確認されている。刑を重くする効果の証拠は少ない。

被害者と加害者が向き合うと何が変わるのか。修復的司法の10の比較試験が示した、被害者の満足と再犯の小さな減少
被害者と加害者が直接会う話し合いは、再犯を少し減らし、被害者の満足度を高めていた。ただし両者が同意した事件に限られ、少年の厳密な試験では差がはっきりしない。

「考え方を変える」更生プログラムは再犯を減らすのか。平均25%減の陰にある、大きな研究ほど効果が小さい問題
考え方の偏りに働きかける更生プログラムは、平均で再犯率を4割から3割へ下げていた。ただし大きな試験だけで見ると効果は小さく、まだ確かとは言えない。