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パーソナリティと犯罪犯罪の男女差はなぜ生まれるのか。日本の検挙人員の女性比は21.5%、差は世界共通だった

犯罪のニュースに出てくる人は、男性が多いと感じませんか。実際、統計でも犯罪をする人の多くは男性です。では、この差はどこから来るのでしょうか。生まれつきなのか、社会の影響なのか。統計と研究から見ていきます。
SUMMARY
- 令和5年の日本の刑法犯検挙人員のうち、女性は21.5%で、近年は20〜22%で推移している。
- 女性の刑法犯検挙人員の約7割は窃盗で、女性の窃盗のうち万引きが75.7%を占め、男性(49.6%)より大きく偏っていた。
- 米国の被害者調査(1973〜2005年)では、暴行や強盗の男女差は縮まっていたが、その一部は女性の増加ではなく、男性の減少によるものだった。
01どんな心の仕組みが働いているのか
犯罪の男女差は、どの国、どの時代でも見られます。ただし差の大きさは、時代や罪の種類によって変わります。
犯罪学では、女性はどこでも男性より犯罪をしにくいという点では、研究者の意見が一致しています。一方で、差がなぜ生まれるのか、時代とともに変わるのかについては、意見が分かれています。
差を説明するために、男女に共通の理論や、女性に特有の事情に注目する理論など、さまざまな考え方が出されてきました。どれが正しいかは、まだ決着していません。
02研究でわかっていること
男女差は世界共通ですが、日本でも罪の種類で差の大きさが大きく違います。差が生まれる理由は、今も研究が続いています。
法務総合研究所(2024)[1]
令和6年版犯罪白書は、女性犯罪を特集した。令和5年の刑法犯検挙人員のうち女性は21.5%で、人数は3万9,370人だった。女性の刑法犯の約7割が窃盗で、特に万引きの割合が高い。65歳以上の割合は女性で32.5%と、男性の19.7%より高かった。
対象: 日本の公式統計 / 限界: 検挙された人の数で、実際に起きた犯罪のすべてではない。
Steffensmeier・Allan(1996)[2]
女性の犯罪と男女差に関する研究を整理した総説。女性がどこでも男性より犯罪をしにくいという点では、研究者の意見が一致していた。一方、差が時代や地域で変わるのか、女性の犯罪の原因は男性と同じなのかについては、意見が分かれていた。
対象: これまでの研究の総説 / 限界: 1996年時点の整理で、その後のデータは含まない。
Lauritsenら(2009)[3]
米国の犯罪被害調査(1973〜2005年)を使い、暴力の男女差の変化を調べた。加重暴行、強盗、単純暴行では、男性に対する女性の割合が時間とともに高まっていた。その一部は、1990年代半ば以降に男性の暴力が女性より大きく減ったためで、女性の暴力が増えたためではなかった。
対象: 米国の被害者調査 / 限界: 被害者の報告にもとづき、加重暴行・強盗・単純暴行に限られる。
03よくある思い込みと、研究が示す実際
「女性の犯罪が増えて男女差が縮んだ」とは限りません。男性の犯罪が大きく減ったことで、差が縮んだように見える場合があります。
04日常で生かせる視点
男女差の数字を見るときは、「差がある」だけでなく、どの罪で、なぜ差があるのかを考えると理解が深まります。
- 「女性の犯罪が増えた」という報道を見たら、人数か割合か、男性の数はどう変わったかを確かめる。
- 裁判員として判断するとき、「女性だから」「男性だから」と性別で動機を決めつけず、個々の事情を見る。
- 高齢の女性の万引きなど、数字の背景に孤立や生活の不安がないか考える視点をもつ。
05よくある質問
日本で検挙される人のうち、女性はどのくらいですか
令和5年の刑法犯検挙人員では、女性は21.5%でした。近年は20〜22%で推移しています。
女性の犯罪で多いのは何ですか
窃盗が約7割を占めます。女性の窃盗のうち75.7%が万引きで、男性の49.6%より高い割合でした。
なぜ犯罪は男性に多いのですか
差がどこでも見られる点では研究者の意見が一致していますが、理由については、さまざまな理論があり、今も議論が続いています。
SOURCES
- 法務省法務総合研究所 (2024). 令和6年版 犯罪白書 ― 女性犯罪者の実態と処遇. 法務省. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/71/nfm/mokuji.html
- Steffensmeier, D., & Allan, E. (1996). Gender and Crime: Toward a Gendered Theory of Female Offending. Annual Review of Sociology, 22(1), 459-487. https://doi.org/10.1146/annurev.soc.22.1.459
- Lauritsen, J. L., Heimer, K., & Lynch, J. P. (2009). Trends in the Gender Gap in Violent Offending: New Evidence from the National Crime Victimization Survey. Criminology, 47(2), 361-399. https://doi.org/10.1111/j.1745-9125.2009.00149.x


